column虫歯の原因(カイスの輪)

カイスの輪

8月に入り、毎日夏らしい暑さが続きますね。みなさまくれぐれも体調にはお気を付けください。

さて今回は、知っているようで意外と知られていない虫歯の原因とその予防方法について「カイスの輪」を用いてお伝えしたいと思います。

「カイスの輪」とは、1960年代にKeyesという研究者が提唱した概念です。虫歯の原因には様々なものがあり、それらが重なると虫歯が発生するリスクが高まるということを図で表しています。

 

虫歯ができる原因

虫歯ができる3つの条件「歯の質」「細菌」「糖質」に「時間の経過」を加えた4つがむし歯の発生要因です。虫歯予防とは、この要因の重なりをなくすことです。

カイスの輪

参照:クリニカ – LION https://clinica.lion.co.jp/oralcare/image/mechanism/img-cause.jpg

歯の質

歯の形、エナメル質の強度・厚み、歯並び、唾液の性質等によっては虫歯になりやすい方もいます。

細菌(ミュータンス菌)

細菌が歯垢となって歯の表面に付着し、糖質から酸を作り出します。その酸が歯の成分を溶かしてもろく、スカスカにしてしまいます。

糖質

食べ物に含まれている糖質(特に砂糖)は、ミュータンス菌が酸を作る材料に使われます。間食が多い人や、甘いものをよく摂る習慣のある人は、歯の表面が酸にさらされる時間が長いため、むし歯になりやすくなります。

時間(虫歯ができるまでの時間)

24時間以上歯垢が残った状態が続くと歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出て虫歯の原因となります。

 

虫歯の予防方法

ではこれら要因の重なりを減らすためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?

歯の質

歯の強度を強くするにはフッ素塗布が効果的です。特にお子さんの間に高濃度フッ素を継続して取り込んであげると歯の質を効果的に強化することができますので、歯科医院で定期的なメインテナンスの際にフッ素塗布を行ってもらいましょう。

歯並びに関しては歯列矯正治療によって汚れがたまりにくい歯並びにすることがお勧めです。

唾液の性質に関しては唾液検査でリスクを知ることが有効です(唾液検査は導入予定です)。

細菌(ミュータンス菌)

細菌の要因というのは簡単に言うと歯の汚れの「磨き残し」です。歯科医院で虫歯の治療をすることはもちろん必要ですが、それと同じように大切なことは虫歯ができにくいようになるべく磨き残しを少なくするご自宅でのセルフケアを身につけていただくことです。当院では患者様のお口に合わせた歯ブラシや歯磨き粉のご提案を行っております。また、小さなお子様の中にはお気に入りの歯ブラシの色や歯磨き粉の味を見つけて、毎日の歯磨きを楽しむことができるようになった子も多いです♪

糖質

糖分の入った飲料や炭酸、お酢やチョコレートなどを頻繁に摂取される方は少し間食の取り方を工夫する必要がありますが、歯の質や細菌の輪が小さくできれば、食生活の影響はそこまで大きくないので全く甘いものを食べないなど極端なことをしていただく必要はないと当院では考えております。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。虫歯の原因とひと言にいっても様々な原因があることがお分かりいただけたかと思います。ご自身のリスクがどういった部分にあるかぜひ一度歯科医院で調べてもらいましょう。

次回は虫歯の深さと治療方法についてお伝えします(^^)/

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