news歯周病と全身疾患
皆様、こんにちわ!院長の木村です。
かなり秋らしい季節になってきて、そろそろ紅葉シーズンも近づいてきましたね。僕の紅葉スポットのお勧めは兵庫県但東町にある安国寺のドウダンツツジです、皆様もぜひ機会があれば訪れてみてください。
さて、前回まで歯周病の病態や治療方法、メインテナンスとセルフケアについてお話してきましたが、今回は歯周病と全身疾患(お身体の病気)の関連性についてお伝えさせて頂きたいと思います。
歯周病と関連のある全身疾患
歯周病と関連のある代表的な全身疾患には以下のようなものがあげられます。
・糖尿病
・動脈硬化
・認知症
・妊娠(全身疾患ではございませんが関連があるので記載させて頂きます)
歯周病と心臓血管疾患との関わり
慢性的な歯周病により、歯周病菌が血管内に入り込み、心臓に送られます。そこで歯周病菌が心臓の弁や内膜にとりついて感染をおこし、心内膜炎をおこします。
また、歯周病菌が心臓の血管にとりついて血栓を形成すると、血管が狭くなったり、血管内皮に傷が入ることにより動脈硬化をおこし、狭心症や心筋梗塞の発症リスクが高まります。
また、動脈硬化は心臓だけでなく、全身のあらゆる血管でおこる可能性があり、脳卒中などの発症リスクも高くなります。
歯周病と糖尿病との関わり
慢性的な歯周病により、歯周病菌由来の毒素や炎症性反応物質が血管を通し、全身へ送られます。そこで、筋肉細胞や脂肪細胞に作用して糖の代謝を妨げたり、すい臓で作られるインスリン(血中の糖濃度を下げるホルモン)の働きを弱めます。
さらに、糖尿病が悪化することにより、糖尿病の合併症(網膜症、腎臓病、神経障害など)の発症リスクも高まります。
最近では、特に歯周病と糖尿病は密接に関わっていることが分かっており、お互いが影響し合っていると言われています。歯周病の治療をすることで、糖尿病も改善することも分かってきています。
歯周病と低体重児出産との関わり
慢性的な歯周病により、歯周病菌や炎症性反応物質が血管を通し、子宮筋に作用して子宮の収縮を早めることで早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています
妊娠中は女性ホルモンの関係で歯肉炎になりやすいと言われています。また、つわりなどで口腔内の衛生状態が悪くなりやすく、特に注意が必要です。
歯周病は上記の疾患以外にも、骨粗しょう症、肺炎などの疾患や肥満などの生活習慣病との関わりが分かってきています。
まとめ
これまで、歯周病は歯ぐきから血がでたり、歯がぐらぐらしたりと口の中だけの病気と考えられてきましたが、このように口の中だけでなく、全身の健康に影響を及ぼしています。したがって、歯周病の予防や早期治療は全身の健康のためにも、とても重要です。ぜひ歯科医院で歯周病の治療を受け、メインテナンスも行いましょう。いつでもお気軽にご連絡お待ちしております。
今回で歯周病についてのお話は終了となります。次回からはインプラント治療について説明させて頂きたいと思います。