news重度の歯周病ってどんな治療するの?
こんにちは!さつまいもや栗、秋刀魚などおいしい食べ物がたくさんある季節ですね。おいしいものを食べた後はしっかり歯磨きをしましょう!
前回は歯周病治療の流れについてお伝えさせていただきました。今回は、その中でも重度歯周病の治療法について当院で行っていることをお伝えさせていただきます。
重度歯周病とは
歯周ポケットの深さが6mm以上の状態を重度歯周病と言います。この状態になると歯を支えている骨が半分以上なくなり歯が揺れ始め、硬い物が食べられなくなります。重度の歯周病がさらに進行すると歯を取らないといけなくなります。一般的な歯周病の治療であるスケーリングやルートプレーニングで治すのは難しく、歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要となる場合もあります。
歯周外科治療って怖いもの?
外科治療と聞くと怖いイメージを持たれる方も少なくないかと思います。ですが、歯周外科治療は決して大きな手術ではなく、虫歯治療や歯を抜くときと同じ麻酔を使って、約1時間程度の処置で終えることができます。また手術の後は多少お痛みが出ますが、痛み止めで治まる範囲のお痛みであることがほとんどです。歯周外科治療を行うことで通常の歯周病治療では改善が困難な深い歯周ポケットを治療できたり、歯周組織再生療法が適応される状態の場合は失われた歯周組織の再生まで期待できます。歯周病の治療を続けているけどなかなか症状がなくならない方、重度の歯周病と言われ不安を感じておられる方などはぜひお気軽に当院までご相談ください。
当院では様々な歯周外科治療を行っておりますがその中でも行うことが比較的多いFOP治療とリグロスを用いた歯周組織再生療法についてお伝えしていきます。
FOP治療
通常の歯周基本治療では取りきれなかった深い歯周ポケットに残っている歯石や汚れを歯茎を切開し明視下にすることで完全に除去します。さらに歯を支えている骨に大きなでこぼこや段差がある場合、骨の形を整えていきます。その後、歯茎を縫合して手術を終了します。手術後は消毒や抜糸を行い、おおよそ2~3週間で歯茎の状態は治癒し落ち着いていきます。
メリット
・歯茎を切開するため、目視でしっかり歯石や汚れが取れる
・深い歯周ポケットを浅くし、骨のでこぼこを改善することで磨きやすい状態の歯茎にできる
・保険適用できる場合が多い
デメリット
・切除療法の場合深い溝を浅くするので歯茎が下がり、前歯の治療だと審美性に欠ける
・神経が通っている歯はしみることがある(時間が経てばほとんどの場合治まります)
歯周組織再生療法(リグロス)
再生療法とは歯周病によって失われた歯周組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質、歯茎)の再生を促す治療です。当院では保険適応の場合、リグロスという薬剤を用いて行います。歯周外科治療によって深いポケットの歯石と汚れを除去し、その部分にリグロスを塗布することで歯槽骨の再生を期待します。ただし、リグロスが適応できる状態は限られており、歯を支えている骨の無くなり方によっては保険適応外となる場合やそもそも再生療法ができない場合もございますので、ご自身の骨がどのような状態が知りたい方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。重度の歯周病になると深いポケットについている歯石を完全に除去することは難しく、そのまま放置しておくといずれ歯を取らないといけなくなってしまいます。歯をとった部分は、何かしらの方法で補わなければいけませんがそうなると歯科医院への来院回数が増えたり、治療費用もかかってきます。何より、ご自身の体の一部の歯がなくなることはお口や全身の健康が損なわれることにつながってしまいます。ですので、重度の歯周病は放置せずにまずは歯周病の治療を受けましょう。そのうえで、今回伝えさせていただいた治療方法も選択肢としてお持ちいただければ幸いです。
次回は、歯周病を予防する、歯周病を進行させないためのメンテナンスについてその重要性をお伝えさせていただきます。また、歯ブラシだけでなく補助器具として歯間ブラシや糸ようじの重要性についてもお伝えさせていただきます。